19日目 ストーリー

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  • シード クゥゥ~ン。ワン!ワンワン! ワンワンワン!
  • ヘナ んもう… うるさいったら。シード、どうしてそんなに吠えてるの?
  • シード ワンワンワンワン!
  • ヘナ ソフィアさん! シードが変です。何かあったんじゃないでしょうか?ソフィアさん?… まだ寝てるのかな?
  • シード クゥゥ~ン。
  • ヘナ よしよし、いい子ね?… それにしても変ね。ソフィアさんはイーデンさんと同じくらい早起きだったのに…あれ…? 何だかキャンプが寂しくなったような… モノがだいぶ減ってる気がする。やっぱりおかしい。キャンプに泥棒でも入ったんじゃないの?… ソフィアさんを起こさなきゃ!
  • トム うう… 朝っぱらから何の騒ぎなんだ?
  • ヘナ 大変です、トム! 見てください、この手紙! ソフィアさんの宿舎にあったんです。
  • トム 手紙だって?
  • ヘナ ソフィアさんが… ジョイを連れて… キャンプを出ていってしまったみたいです。
  • トム バカ言うなよ。ここはイーデンとソフィアのキャンプじゃないか。どうして彼女が出ていくんだ?… どうやらマジだな。手紙にここを出ると書いてある。
  • ヘナ どうしましょう?… わたしたち… これからどうすれば…
  • トム 落ち着けよ、ヘナ。とりあえず対策を話し合おう。
  • ヘナ ソフィアさんはなぜ去ってしまったんでしょう?手紙には、より良い未来のためだと書いてましたけど… まるで意味が分かりません。
  • トム どんな理由にしろ、愚かなことをしたもんだ。このキャンプより良い場所なんてあるはずないのに…
  • ヘナ もしかして… ミゲルが亡くなったからじゃないでしょうか?
  • トム 何? ミゲルが亡くなったから…って、どういう意味だ?
  • ヘナ ミゲルのいないキャンプに居続けるのが苦しかったんじゃ… いえ、まさか、そんなはずないですよね。
  • トム ああ、そうだとも!! そんなはずはないんだ!!
  • ヘナ びっくりしたぁ。急に大声で叫ばないでください。
  • トム とにかく、絶対にそんなはずはないんだ!
  • ヘナ は、はい…
  • トム くそっ…
  • ヘナ …?
  • トム (本当に、ミゲルを失った傷心のせいだというのか?オレが、ミゲルを治せなかったから…だから、ジョイのことも治せないと思って出ていったのか! オレを信頼できないと思ったから…?)
  • ヘナ トム?
  • トム … ちょっと散歩してくるぜ。
  • シード ワン! ワンワンワン!
  • トム 何だ?シード、どうして急に吠えてるんだ?
  • ヘナ 誰かが近づいてきてるんじゃないでしょうか? ソフィアさんが戻ってきたのかもしれません。イーデンさんかも…!あっ…!?ト、トム!あ、あれって何でしょう!?
  • トム くそっ! ありゃ、砂塵嵐だ! このキャンプに 向かってきているぞ!
  • ヘナ ど、どうすればいいでしょう…!?
  • トム オレが知るかよ! この手のトラブルは、イー デンやソフィアが対処してただろ!?
  • ヘナ よりにもよって、二人がいないときに…
  • トム ひとまず退散だ! 命あっての物だねだからな!
  • ヘナ は、はい!嵐が過ぎ去るまで隠れていましょう! シード! きみもついてきて!
  • シード ワン!
  • イーデン 発信機があって幸いでしたね。バンカーの中にハンマーさんの姿がなくて焦りましたけど…
  • スマート ズタボロの状態なのに、どうして移動したのかしら?
  • イーデン ハンマーさんに会ったら聞いてみましょう。 ボクたちが見つけるまで無事だといいのですが…
  • スマート きっと無事よ。頑丈さだけが取柄だもの。私が保証するわ。
  • イーデン あっ! あそこにいるのは… ハンマーさんですよね?人が倒れてるのが見えますけど…
  • スマート 間違いないわ。ハンマーよ!急ぎましょう!ハンマー!大丈夫?
  • ハンマー スマート…?
  • スマート 最後に見たときよりもボロボロになってるじゃない。どうしてこんなところまで来たの?
  • ハンマー 連中に… 見つかって… 大立ち回りをして…逃げ出したんだ。
  • スマート 連中に見つかった? どうして…?
  • ハンマー コマンダーは… 基地の周辺の地形を… すべて把握していたらしい。ここも… 安全とは限らん。
  • スマート やはり抜け目のないやつね。心配しないで。この辺りに略奪者はいなかったから。気づかれる前に早く脱出しましょう。
  • ハンマー ああ…頼む。
  • トム ふぅ~嵐は過ぎ去ったみたいだな。
  • ヘナ キャンプがめちゃくちゃです。ふぅ、まった く… この前の砂塵嵐のときは、ここまでひどくはならなかったのに。
  • トム あのときは、イーデンとソフィアが何かと対処してたからな。
  • ヘナ 二人の存在の大きさに、いなくなって初めて気づきました。
  • トム (オレは頼りにならないとでも言いたいのか? やりきれんな…)安心しろ。オレに任せとけ! ホコリを被ったんなら、掃除すればいいだけだろ。
  • ヘナ え、えっと… トム?
  • トム 何だ?
  • ヘナ さっき食事の準備をしようと出しておいた食料が 、全部飛び散ってしまいました…
  • トム 何だって?全部なくなっちゃったのか?
  • ヘナ どうしましょう? ソフィアが出ていくとき、 わたしたちのために残してくれた食料のはずなのに…
  • トム …大丈夫さ! 新しく仕入れればいいだろ! オレに任せとけって!
  • シード クゥゥ~ン。
  • ヘナ 問題はまだありますよ、トム。
  • トム まだ何か?次から次へと問題だらけだな。
  • ヘナ キャンプの電力が弱まってる気がしませんか? 発電機に問題が起きたみたいです。
  • トム ああ、クソ。確かにそうだな。風力発電機も回ってないし、太陽熱のほうも何か問題があるみたいだぞ。
  • ヘナ 直せそうですか?
  • トム オレは人を治す医師だ。あんなのはお手上げだよ。
  • ヘナ はぁ~。でしょうね。イーデンがいてくれれば安心なのに… 今日中に帰ってこられるでしょうか?
  • トム ……
  • ヘナ もう今日をしのげるかもわかりません。寒さに耐えられるでしょうか? 今からでも電力を節約しないと…
  • トム ……
  • ヘナ せめてミゲルさんが生きていてくれれば、風力発電機は直せたはずなのに…
  • トム うるさいぞ! オ… オレがミゲルを助けられなかったせいだってのか!?
  • ヘナ はい?そ、そんな… 違います。わたし… そんなつもりじゃ…
  • トム 電力はオレが何とかするさ! 任せておけって言ってるだろ!忘れたのか?療養所で火力設備を改造するとき、男手が足りないっていうから、オレも手伝っただろ!
  • ヘナ トム…
  • トム イーデンが帰ってこなくたって、今夜は暖かく過ごせるようにしてやるよ!
  • ヘナ ト、トム… ミゲルさんのことは気にしないでください。そういうつもりで言ったんじゃないんです。
  • トム いいから、君はだまってオレの仕事ぶりを見てろ! 風力だの太陽熱だのはいい! 発電といえば火力だろ!
  • ヘナ か、火力ですって?ここには火力発電機なんてありませんよ?
  • トム このオレが作ればいいだろ! 何だ? イーデンにはできても、オレにはできないって言いたいのか?
  • ヘナ い、いいえ。きっとできますよね、トムなら…(あまり刺激しないでおこう。わたし、トムの気に障ることを言ってしまったみたいだし…)
  • トム 火力発電については、このキャンプにいる間ずっと考えてたんだ。使えそうなくず鉄を見かけたからな。この間作ってみようとしたんだが、ソフィアにピシャリと止められたからから我慢していたのさ。
  • ヘナ ソフィアさんがわざわざ止めたなら… 何か理由があるんじゃないでしょうか?
  • トム 彼女がスマートやハンマーにした仕打ちを覚えてないのか?ソフィアはただのヒステリー持ちさ。あの女は冷静な判断ができないんだ。
  • ヘナ …
  • トム とにかく、くず鉄を運ぶのを手伝ってくれ。
  • ヘナ … あっ、はい!
  • トム よし! これなら、きちんと火を起こせそうだな。
  • ヘナ 頑丈そうですね。
  • トム だろ? イーデンとハンマーも、戻ってきたらオレを見直すだろうな。患者がいなくたって、オレが役に立つ存在だって気付くはずさ。オレは高い教育を受けたエリートだぞ。
  • ヘナ ……
  • トム くそっ!まったく、バカな女だよ…
  • ヘナ はい?
  • トム …い、いや… ただのひとり言さ。さて、次は熱気をためる電力装置を作る番だな。手伝ってくれるだろ?
  • ヘナ はい!
  • トム いいんじゃないか? これなら十分だろ。
  • ヘナ そうですね。療養所で見た設備に似てる気がします。
  • トム だろ?あのとき、少し手伝っただけで構造をすべて覚えたのさ。オレは天才の名をほしいままにした男だぞ。さて、次は… 燃焼器の胴体と煙突を設置しよう。
  • ヘナ はい…
  • トム あ~あ、クソ… ミゲルは療養所で初めて会ったとき、すでに臓器がズタズタで、手の施しようがなかったんだ。だが、まだ子供のジョイなら治療のしようはあったはずだ… なのに… そんなにオレが信用できなかったのか?
  • ヘナ ……
  • トム そうだ! 煙突… ゴミの山に使えるものがあったはずだ。早く取ってこよう。
  • ヘナ はい、行きましょう。これで終わりですか?
  • トム 完璧だ! これでキャンプの電力はバッチリだぜ!
  • ヘナ すごいですね。ところで、どんな仕組みで電気を作り出すんですか?
  • トム プラグを差せば勝手に作るんだろ?
  • ヘナ は、はぁ…
  • トム とにかく火を起こしてみりゃいい。おっと! あの中に水を注がないとな。療養所にいたエンジニアはそうしてたぜ。
  • ヘナ はい…
  • トム とっとと木を切ろう! 薪がたくさん必要になるからな。
  • ヘナ わ、わかりました、けど…木、木を切っちゃうんですか?ま、待ってください! 本当にあの木を切るんですか?
  • トム せっかく火力発電機を作ったのに、薪がなきゃ動かせないだろ?
  • ヘナ 辺りに乾いた木の枝がたくさんあるのに、何でわざわざあの木を切ろうというんですか?
  • トム あの干からびた木の枝のことか?バカを言え! あんな死んだ木の枝なんか使ったら、火力が出せるわけないだろ?
  • ヘナ で、でも…焚き物は、乾燥した木の枝を使うものだと思うんですけど…
  • トム そんなので足りるもんか。オレは今、一生使っても余るほどの電力を貯めようとしてるんだぞ?イーデンとソフィアは、このキャンプの奇跡はあの木から始まったって言ってたよな。
  • ヘナ そうですよ。その奇跡の木を切るだなんて…
  • トム 自然は人間に使われるために存在するんだ。 奇跡のついでに、最先端文明の糧になってもらおうじゃないか。それの何が悪いんだ?
  • ヘナ そんな…
  • トム 手を貸す気がないなら、大人しく見物してろ! 別に切り倒そうってわけじゃない。枝を少しいただくだけさ!
  • ヘナ ……
  • シード ガルルル~ワン! ワン!
  • トム うあっ! ヘナ! このバカ犬を連れてってくれ! 
  • ヘナ シード、おいで!トム… 嫌な予感がします。木を切るのはやめたほうがいいと思います。
  • トム 半端な火力じゃダメなんだ! イーデンとハン マーが驚くほどのパワーが必要なんだぞ!
  • ヘナ も、目的は電力供給ですよね?二人に自慢したくて作ってるわけじゃないはずでしょう?
  • トム のんきなことを言わないでくれ! ミゲルは死んでしまったし、ソフィアとジョイは物資を持って出ていったんだぞ!それに、手持ちの物資は砂塵嵐にさらわれてメチャクチャだ! オレたちが出しっぱなしにしていたせいで、当面の食べ物もなくなった!
  • ヘナ そ、それは…そうですけど…
  • トム イーデンとスマートがハンマーを連れて帰ってきたとき、オレたちのことをどう思うだろうな?このままじゃ追い出されるのがオチだぞ!
  • ヘナ うっ…
  • トム ここに残りたければ、ガツンとやらなきゃダメだ!失敗がかすむぐらいインパクトのあることをな! オレの言ってることがわかるか?
  • ヘナ わかり… ました…ケホケホ! ケホ! あうう… 煙が… だいぶおさまったのに、いまだに咳が止まりません。
  • トム コホッ! コホッ! くそぉ!
  • シード コシュッ! コッ! ケッ! ガルルル…
  • トム 妙だな… 療養所の火力発電設備は、こんなに煙が出たりはしなかったはずだ。
  • ヘナ 療養所は、煙突が建物の上にまで延びていたからじゃないでしょうか? それでもさっきのよりはマシでしたけど…ト、トム!
  • トム 何だ?何かトラブルか?
  • ヘナ 木、木… 木を見てください! 何か変です!
  • トム 木がどうしたって……. おや? 何でしおれてるんだ? 煙のせいか?
  • ヘナ 枝をむやみに切りすぎたせいじゃないでしょうか?
  • トム 木を少し切ったからって、あんなふうになるもんか。まあ、後で何とかするとしよう。まずは電気を…む?
  • ヘナ トム、どうかしました?
  • トム 電気がつかないぞ? いったい… 何がマズかったんだ?
  • ヘナ トム…
  • トム あ、安心しろって! オレが何とかするから!
  • ヘナ はぁ…(イーデンさん… あなたがいないと、わたしたちはどうにもなりません… 早く帰ってきてください…)
  • シード ワンワン! ワンワンワン!
  • イーデン シード~!
  • シード ハッハッハッ~!
  • ヘナ イーデンさん!か、帰ってきたんですね! スマートさんに… ハンマーさんも! 本当によかった!
  • イーデン はい、ヘナさん。運よく略奪者に遭わずに…無事に…えっと… ヘナさん?
  • ヘナ は、はい?
  • イーデン キャンプの様子が… 少し変ですね? 何かあったんですか?来る途中ですごい砂塵嵐を見かけたんですけど、もしかして…それが原因なんですか?
  • ヘナ い、いえ、そういうわけじゃないんです。でも、まずは… イーデンに謝らなきゃいけない ことがあります。
  • イーデン はい?
  • ヘナ 実は…
  • イーデン ちょ、ちょっと深呼吸させてください。…ふぅ〜はぁ~!
  • シード クゥゥ~ン。
  • ヘナ ごめんなさい、イーデンさん! うわあ~ん!
  • スマート まさか… ウソよね? たった一日のうちに… そんなことが立て続けに起きたって言うの?
  • ヘナ ううっ、うう…
  • ハンマー 受け入れ難いな。ミゲルが… しかも、ソフィアとジョイも去ってしまったとは。
  • スマート それじゃ、あの禍々しいものはトムが作ったわけね? トムはどこ?
  • ヘナ わ、わかりません… ううぅ…
  • イーデン ふぅ~…と、とにかく…泣かないでください、ヘナさん。一緒に… トムを捜しましょう。トムだって悪気があったわけじゃないんですよね?上手くなだめてあげないと…
  • ヘナ イーデンさん…
  • ハンマー 捕まえてきたぞ。向こうの家の通信装置の裏に隠れていた。
  • トム 許してくれェ! キャンプを壊すつもりはなかったんだ!
  • シード ガルルルル~!
  • トム うう… 信じてくれ。オレはただ、電力を復活させたくて…まさか、枝を切ったくらいで木があんなことになるとは思わなかったんだ。
  • ヘナ た、確かに… こんなこと、誰にも予想できないですよね。
  • イーデン アハハ… 別に責めるつもりはありませんから。大事なのは、これからどうするかです。とにかく、今はスマートさんとハンマーさんの手当てをするのが先です。トムさんにしかできないことです。お願いしますね、トムさん。
  • トム …あ、ああ。お安いご用さ… 任せてくれ。
  • イーデン ヘナさん、ボクと一緒に木の辺りを片付けましょう。そうすれば何か対策を思いつくかもしれません。
  • ヘナ わ、わかりました!
  • イーデン だいぶ片付きましたね。こうして見ると、木がひどい状態なのが一目で分かります。
  • ヘナ イーデンさん… ごめんなさい。
  • イーデン あっ、別に責めてるわけじゃないんですよ! 気にしないでください、ヘナさん。
  • ヘナ 砂塵嵐が通ったあと、風力発電機とソーラー発電機が壊れちゃったんです。トムはキャンプの電力不足を解決しようと、 火力発電機を作ったんですけど… それが、まさかあんなことに…
  • イーデン 火力発電は環境に悪い影響を及ぼします。あれは他の使い道を考えましょう。
  • ヘナ そうですよ。それがいいと思います。でも、そうなると電力は…?
  • イーデン えっと… それは…風車の回転軸と、ソーラー発電機のパネルがホコリを被っていました。あれを払えば大丈夫なはずです。
  • ヘナ はい!?そ、そんな簡単に解決できるものなんですか!?
  • イーデン アハハ… 掃除はお手のものですから、すぐ済ませてきますね。
  • ヘナ (やっぱり… イーデンさんってすごい…)
  • イーデン 発電機の問題は解決しました。ホコリを払ったらすっかり直りましたよ。
  • ヘナ まさか、掃除すれば済むことだったなんて… イーデンさん、ご迷惑をおかけしました…
  • イーデン それから… キャンプをざっと見てきたんですけど… あの… ミゲルさんは…
  • ヘナ … ミゲルさんのお墓は、作っていないんです。
  • イーデン はい? じゃあ…?
  • ヘナ 生前に頼まれました。ミゲルさんは、お墓なんかを作って自然を損ねるのはもう嫌だって自然にすべてを捧げることが贖罪であり、解放なのだと言われました…
  • イーデン … ミゲルさんの言いそうなことですね…とにかく、今は食料を何とかするのが先です。持っていた食料はホコリを被ってしまって、食べられる状態じゃありませんから。
  • ヘナ どうしましょう? まず今日の夕食は…
  • イーデン アハハ… さっそくソフィアの料理が恋しく思えてきました…
  • ヘナ イーデンさん…
  • イーデン 明日動くためにも、何かお腹の足しになるものが必要なんだけど…
  • トム イーデン、オレに任せてくれ。
  • イーデン トムさん?
  • トム オレの責任もないとは言えないからな。今晚の食料は、オレが何とか調達してくるよ。
  • イーデン 食料を調達してくる… ですって…?… 今からですか!?
  • スマート 行かせればいいじゃない。略奪者たちが私たちを捜してる可能性は高いけど、まあ、大丈夫でしょ。
  • トム 略奪…者だって…!?うぅっ! スマートとハンマーの手当てに熱を入れすぎて、急に立ちくらみが…!
  • イーデン 物資を仕入れるのは後にしましょう、トムさん。今日の晩飯メニューは、ボクにアイデアがあります。
  • トム あっ… そ、そうか? 君がそれでいいなら… アイデアって何なんだ?
  • イーデン サイモンさんがくれたヤギですよ。あのヤギのミルクでしのぐというのはどうでしょう?
  • トム ヤギの乳なんて、そのまま飲むのは危ないぞ。腹を下すかもしれん。
  • イーデン へぇ、そうなんですか。さすがトムさんは博識ですね! トムさんがいてくれてよかった!じゃあ、沸騰させてから飲むのはどうですか? まだ夕食時まで時間がありますから、ミルクを沸かす装置を作るというのは?
  • トム あ、ああ…い、いい考えだと思うぜ。
  • イーデン よし!さっそくミルク釜を置く場所を掃除しましょう!
  • ヘナ またまたお掃除ですね。
  • イーデン 掃除完了!ほらほら!早く次の作業も終わらせて、美味しいミルクをいただきましょう!
  • ヘナ ス、スマートさん。イーデンさんですけど… さすがにハシャギすぎだと思いませんか?
  • スマート しーっ! そっとしてあげなさい。いつもの楽しそうな様子とは違うでしょ?
  • ヘナ そうですね。何だかわざとらしい気がします…
  • イーデン よし! これならミルクを沸かす分には問題ないはずです。トムさん、次は道具の置き場を作りましょう!
  • トム オ、オレも手伝うのか?
  • イーデン 当たり前でしょう! スマートさんとハンマー さんはケガが人じゃないですか。
  • トム そ、そうだったな。わかったよ…
  • イーデン やっぱり、トムさんがいてくれて本当によかったです。
  • ハンマー おい… スマート。さっきからイーデンはトムに気を遣っているようだが、その理由を知ってるか?
  • スマート ヘナから彼の気持ちを聞いたからよ。患者だったミゲルとジョイがいなくなって、医師である自分がお払い箱になるのを怖がってたんですって。
  • ハンマー それで、火力発電機を作るなんていう無茶をしたんだな。存在価値を証明したかったわけだ。
  • スマート 存在価値はともかく、バカさ加減は見事に証明してくれたわね。キャンプはこのザマだけど… イーデンさえい れば、何となく安心できるのよね。
  • ハンマー 同感だな。
  • イーデン 調理道具の置き場も完成しました! さ~て、ぶくぶく沸かして、美味しくいただきましょう!
  • ヘナ わ、わたしも手伝います。イーデンさん、沸かし方を教えてください。
  • イーデン はい! ボクが手本を見せますから、よく見て覚えてくださいね!
  • シード ガルルルルル…
  • イーデン シ、シード!?何するの! これは料理してるんじゃなくて、沸かしてるだけだってば!いくらボクの料理が嫌だからって、これくらい許してよ!
  • シード ガルルルルル…
  • ヘナ や、やり方だけ教えてください。わたしが沸かしますから。
  • イーデン うう… お願いします、ヘナさん。
  • イーデン ヤギのミルクも悪くないね。さすがに毎食これじゃ持たないと思うけど。まだ日も暮れていないのに、みんな寝ちゃったみたい。それもそうだよね… 今日は… 悲しいことがたくさんあったから。
  • シード クゥン~
  • イーデン そうなんだね、シード。やっぱりキミはボクの気持ちに気付いてたんだ。だって、仕方ないよ。ボクが辛そうにしていたら、たぶん、みんなも…う、うううぅ…
  • シード クゥゥン~
  • イーデン ご… ごめんなさい… ミゲルさん。最後まで、そばにいたかったのに… 間に合わなくて…ううう… ミゲル… おじいちゃん…夜明け頃にここを通ると、いつもジョイが咳をしたり、寝返りを打つ音がしてたっけ…
  • シード クゥン~
  • イーデン こんなに静まり返ってると、ソフィアとジョイはもういないんだって実感するよ。シード、キミが引き留めてくれればよかったのに。
  • シード クゥゥン~
  • イーデン 冗談だよ、冗談。本気にしなくても大丈夫だって。ひょっとして、手紙のほかにも何か置いて いったんじゃないのかな? 帰ってくるってメッセージを残してあったりしないかな?
  • シード ワン!
  • イーデン 何も見つからない… 二人は本当に出ていってしまったんだ… ソフィア、ジョイ…ジョイの大好きなコッコまで置き去りにして…
  • シード クゥゥ~ン。
  • イーデン ソフィアはスマートさんとハンマーさんを目の敵にしていたけど、本当は略奪者とは違うってことに気付いてたんだ。
  • シード ワン?
  • イーデン そう手紙に書いてあったんだよ。ただ、略奪者との繋がりができることを恐れてただけ…だから無理やり追い出そうとして… ボクが気付いてあげられればよかったのに。彼女にも分かってたんだよ。自分の言ってることが無茶だってことくらいは。
  • シード クゥン~
  • イーデン ボクが彼女の気持ちに気付いてれば、あんなに追い詰めたりしなかったのに… ごめんなさい、ソフィア。くすん。
  • シード ペロペロ
  • イーデン ごめんね、シード。少しの間だけ、泣かせてほしいんだ。
  • シード …
  • イーデン ソフィア… ジョイ… 会いたいよ。お願い…帰ってきてよ。
  • サイモン こりゃまいった! このキャンプは夜が早く訪れるようだな! もうみんな寝てるのか? ハッ! ハッ! ハッ!
  • イーデン この声は、ひょっとして… サイモンさん? サイモンさんですか?
  • サイモン オー! ハッハッハッ! まだ起きているわが友もいたのか! 嬉しいぞ、わが友よ!
  • イーデン こんな時間にどうしたんですか? 危なくなかったんですか?
  • サイモン 行商人にとって危ない時間帯は、晴れた日の昼下がりだけさ! うとうとして横道にそれてしまうからな!取引先での仕事が済んだんで、おれの車を取りに来たのさ! まさかみんな寝てたとはな。すまん、すまん! ハッハッハッ!
  • イーデン あっ… サイモンさん… 実は、そのことで話があるんです。
  • サイモン ?たまげたな…! ここ数日の間に… ずいぶん色ん なことがあったもんだな。
  • イーデン ごめんなさい。ソフィアが持ち去った車は、他の物品で弁償させてください。すぐには難しいですけど…
  • サイモン ハッハッハッ! 気にしなさんな、わが友!車はロックンロールの本部があてがってくれるさ!それより、あのミゲルという爺さん… これからまだまだ会えると思ってたんだがな。まっ たく残念だ。
  • イーデン はい… とても残念です。
  • サイモン とにかく… 食料問題を完全に解決してやることはできないが、少しなら、おれが役に立てるかもしれん。
  • イーデン はい?
  • サイモン ホコリを被った食料は、おれが引き取らせてもらうぜ! モノ自体は新鮮だから、手を加えれば何とか売れるようになるだろ。代金として、おれの持ってる非常食ボックスをやるとしよう! ハッハッハッ!
  • イーデン それって… サイモンさんが困っちゃうんじゃないですか?
  • サイモン ハッ! ハッ!ハッ! 行商人は損する取引はしないもんさ! ゆくゆくはおれが得することになるだろう。だから気にするな、わが友!
  • イーデン ありがとうございます、サイモンさん! 助けてくれたこと… 絶対忘れません!
  • サイモン それにしても、おれの大きな声を聞いても誰も出てこないのか。みんなグッスリ寝入ってしまったみたいだな。ハッハッハッ!
  • イーデン 色んなことがありましたから、みんな疲れてるんだと思います。ハンマーさんなら起きてきそうなものですけど…
  • サイモン 今度は昼間に来ることにするぜ! ほかに何か必要なものはないのか?
  • イーデン ええっと… もし、行き先でソフィアの噂を耳にしたら、ボクに教えてほしいんですけど…
  • サイモン そんなことは、頼まれなくても分かってるさ。ハッハッハッ!安心しろ、わが友。ソフィアの情報を掴んだら必ず教えてやる。おれの仲間たちにも情報収集を頼んでおくぜ。
  • イーデン サイモンさん… 本当に、ありがとうございます。そうだ! 種もお願いしたいんです。お礼はいつか必ずします。ソフィアが残していった種は、砂塵嵐に飛ばされていってしまって…
  • サイモン この素晴らしいキャンプに種がないとは、そりゃ一大事だ! 今は持ち合わせがないが、手に入ったら持ってきてやるぜ! ハッハッハッ!
  • イーデン 本当にありがとうございます。サイモンさん。おかげでくじけずにやっていけそうです。
  • サイモン その言葉、行商人冥利に尽きるな。任せてくれ。ではまた会おう、わが友!
  • イーデン えっ!?もう行ってしまうんですか? こんな夜更けに… 危ないですよ。今晩はゆっくり休んで、明日出発したらどうですか?
  • サイモン ハッハッハッ! 言っただろ? わが友! 行商人 は夜道などヘッチャラだと!ロックンロールのサイモンに手を出すやつなんていないさ。おれの仲間は大気汚染物質よりも多くてしつこいからな! ハッハッハッ!
  • イーデン ボクも、その仲間の一人なんでしょうね。
  • サイモン そりゃまた嬉しい言葉だな! ハッハッハッハッ!
  • イーデン 次の取引先との約束があって急いでるんですよね?
  • サイモン …
  • イーデン ごめんなさい。車をなくしてしまって… 車で向かうつもりでスケジュールを組んでいたでしょうに…
  • サイモン そんなに謝らなくていいさ。もう過ぎたことだからな。この友情にはヒビーつ入っていな いぜ。神に誓ってな。さて、これはわが友へのアドバイスだが… 食料を貯めて隠しておくといい。
  • イーデン はい? 何か理由があるんですか?
  • サイモン 近頃、自然災害が多いせいで、あちこちで食料が不足しているからな。念のために備えておきな。
  • イーデン わかりました、サイモンさん。たくさん貯めておくことにします!
  • サイモン ハッハッハッ! それじゃまた会おう、わが友!
  • イーデン サイモンさんにはああ言ったものの、心配だなぁ。明日だってミルクでしのぐことになるかもしれないし。
  • シード ワン!ワンワン!
  • イーデン うあっ!シ、シード! サイモンさんがいなくなって静かになったと思ったら、今度はキミが吠えちゃうの? みんな寝てるんだよ!
  • シード ワンワンワン!
  • イーデン ん?なになに…? ちょ、ちょっと! 引っ張らないで!何でこんなところに連れてきたの?
  • シード クンクンクン。ワン!
  • イーデン どうしたの?急に地面を掘ったりして…そこに何かあるの?うわっ! 何これ?土の中に色んな物が埋まってる…!?
  • シード ワン!
  • イーデン もしかして… シード、キミのお宝なの?キミは気に入った物をここに埋めてたんだね?
  • シード ワンワン!
  • イーデン あっ! 靴下の片方がどこかに消えたと思ったら… シード、キミが犯人だったなんて…!
  • シード ハッハッハ~
  • イーデン ちょっと待って! これ…種じゃないの?しかも、芽が出たジャガイモもあるよ!でかしたね、シード! このジャガイモ、畑に植えれば育つかもしれない! 本当にお手柄だよ!
  • シード ワンワン!
  • イーデン 奇跡の木がしおれてしまったから、このジャガイモが上手く育つか心配だけど… やってみるしかないよね。よし、シード! キミのおかげで、明日やることができたよ! 明日のためにも、早く帰って寝よう!
  • シード ワ〜ン!
  • イーデン サイモンさんとお話しして、シードのお宝を掘り出してからだいぶ時間が経ったけど… まだ寝つけそうにないよ。明日のために、無理にでも寝よう。あのジャガイモを、少しでも早く育てなきゃ…
  • シード グゥ~グゥ~
  • イーデン アハハ。シードはもうグッスリ寝ちゃったね。…ふうう…… いや、悪い考えはやめよう、イーデン!前向きになるんだ!リアムが言ってた。不幸というものは、今の幸せのありがたさを教えるため、時々訪れるだけだって。この先は、幸せなことがたくさんあるはずなんだ。あのときだってそうだったよ。リアムと別れて放浪していた頃、ボクと歳の近い浮浪者を助けてあげた。そしたら、寝てる間に荷物を丸ごと盗まれて … あのときは頭が真っ白になっちゃったけど…何日か後にあのキャンピングカーを手に入れたし、おかげでこのキャンプを見つけることができたよ。シードにも出会えたし!
  • シード グゥ~グゥ~
  • イーデン そうだよ! 悩んだりしないで、グッスリ寝よう。シードみたいに! 明日のために!みんな、おやすみなさい… どこかにいるソフィアとジョイも…
  • コマンダー 取り逃がした? ハンマーを見つけておきながらか?まともに歩けもしないケガ人相手に、全員がやられただと?
  • ?? 申し訳ございません。もう捕まえたと油断した瞬間、隙を突かれてしまい…
  • コマンダー 謝る必要はない。もう休め。
  • ?? は、はい。
  • コマンダー 永遠にな。
  • ?? はい?
  • コマンダー 永遠に休めと言っているんだ。
  • ?? コ、コマン…ぐあっ!
  • コマンダー 外に誰かいないか? 中に入れ!
  • ?? はい、お呼びですか?… なっ…?
  • コマンダー こいつを片付けたら、ただちに捜索隊を編成しろ。逃走したハンマーとスマートを必ず捕まえるんだ。
  • ?? 承知しました。ただちに捜索隊を編成いたします。

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