20日目ストーリー

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  • イーデン ふああ……いててっ!
  • シード ワン?ワン! ワンワン!
  • イーデン 大丈夫だよ、シード。昨日ハンマーを探すときに無理したせいで筋肉痛になっただけだから。
  • シード クゥ~ン…
  • イーデン ああ、よかった。木の状態は昨日より良くなってる。早く元通りになればいいんだけど…
  • イーデン やっぱり、リアムのせいで余計にそうなのかな?
  • シード ワン?
  • イーデン リアムは、本当に大変な時はいつだって平気そうに振る舞ってた。側にいるボクが不安にならないように。ミゲルも… ソフィアとジョイも… ハンマーや … スマートだって… 大変なことが一気に押し寄せたでしょ?そんなときほど逆に落ち着いてくるんだ。へナの震える手を見てたら、弱音なんて吐けないし。ヘナとトムががっかりしてないかな? ボクがこんなに平気そうな顔をしてても…
  • シード ペロッ
  • イーデン あはは。慰めてくれるの、シード?
  • シード ワン!ワン!
  • イーデン 分かったってば! もう落ち込まないからその辺にして!
  • イーデン 昨日の夜は時間が遅すぎてちゃんと確認できなかったから…
  • シード ワン?
  • イーデン ごめん、シード。キャンプの状況が良くないから、キミが隠しておいたお宝を使わせてほしい。
  • シード ワン!?ワン!?
  • スマート イーデン、ここでシードと遊んでいたのね。 シードったら、ピョンピョン跳ねて嬉しそうじゃない。
  • イーデン 嬉しいんじゃなくて、驚いているんですよ。もしかしたら怒っているのかも… あはは。
  • スマート 怒るって、どうして?何かあったの?
  • イーデン 見てください。シードが自分のお気に入りをここにこっそり埋めてたんです。
  • スマート そういう習性を持つ犬がいるというのは聞いたことあるけど…って、あれは私のハンカチじゃない!シード!
  • シード クゥ~ン…
  • イーデン それよりもっと重要なものがあるんです。スマートさん、これを見て。芽が出たジャガイモです。
  • スマート あっ!ひょっとして… 植えたら栽培できるんじゃない?
  • イーデン ボクもそれを言いたかったんです、スマートさん。
  • トム みんな、ここにいたのか。朝食はどうするんだ?またヤギの乳で腹を満たすのか?
  • イーデン ビスケットがあるから、一緒に食べましょう。
  • トム うう… こんなにミルクばかり飲んでたら、みんな腹を壊しちまうぞ。
  • イーデン 大丈夫ですよ、トムさん。シードのお宝から芽が出たジャガイモを見つけたので。
  • トム ジャガイモ?
  • スマート 穴の中にもまだいくつかあるわね。上手くいけば食糧問題を解決できるかも?
  • イーデン そうですね。育つまでの時間もあるので、急いで植えましょう。食事が終わったらすぐにでも畑を耕そうと思 うんですが、手伝ってもらえますか?
  • トム もちろん! ミルクばかり飲んで暮らすのはもうこりごりだ!
  • スマート トムが積極的に働きたいなんて言うの、初めてじゃない?
  • イーデン やった! これでバッチリ綺麗になりましたね。
  • トム ふう、片付けるだけでも一苦労だな。
  • スマート トムは邪魔なだけだったけどね。これから耕す地面を逆にならしてどうするのよ。
  • イーデン あはは。でも、今までボクが見た中では一番頑張ってました。
  • トム それは…… ミルク漬けの生活よりはマシだからな。
  • スマート 正直でよろしい。
  • イーデン さあ、今度は畑を耕しましょう! 今からは思う存分、土を引っ掻いてもいいですよ!
  • トム よし、任せろ!はあ、疲れた。患者の手術のほうがよっぽど楽かもしれん。
  • イーデン でも、トムさんのおかげで畑が早く完成しました。お疲れ様でした!
  • ハンマー 俺にも手伝わせてくれ。次は何をすれば…
  • スマート あなたは黙って座ってて!うっかり傷でも開いたら苦労するのはこっちなのよ!?
  • ハンマー わ、分かった。
  • イーデン そういえば… ハンマーさんとスマートさんって、どうして略奪者に襲われてたんですか?
  • ハンマー 最初に捕まっていた時の話か?
  • イーデン はい。物資を探しに行った場所って、キャンプに近い都市でしたよね。
  • スマート だからこそ油断したのよ。ニュープロテクターの奴ら、縄張りを相当広げてたんだわ。
  • イーデン サイモンさんも言ってました。最近は自然災害のせいであちこちで食糧が不足してるって。
  • ハンマー そのせいだろうな。これからはキャンプの防衛を強化せねば。
  • イーデン はい! とりあえず今はジャガイモを植えましょう! 食糧が足りないのはこのキャンプだって同じですから!
  • スマート シードが貯め込んでたジャガイモは全部植えたわ。これで終わったのよね?
  • イーデン はい、スマートさん。
  • シード グルルルルルル…
  • ハンマー お宝を取られたシードをケアしてやらないとな。1つくらい残してやっても良かったんじゃないか?
  • イーデン あはは、シード! キミの宝物はちょっと借りただけだよ。ジャガイモを収穫したら倍にして返すからね。
  • シード ワン?
  • スマート この子、人間の言葉が解るんじゃないの?あんなに唸り声をあげてたのに、イーデンに言われた途端、しっぽを振り出して。
  • トム 仕事が終わったんなら、オレは体を洗いに行くよ。今日は朝っぱらから暑いな。
  • スマート あなたもシャワーを浴びてきたの?私も一緒に行けば良かったわ。
  • イーデン スマートさんもどうぞ。ふああ~… まだ午前中なのに結構暑いですね。
  • スマート そうさせてもらうわ。じっとしてても全身汗びっしょりよ。
  • イーデン ボクはまた畑に水をやってきますね。
  • ハンマー また? そんなに頻繁に水をやっても大丈夫なのか?
  • イーデン 土が乾かないように水をやらないといけないって。ほら、もうパサパサですよ。
  • ハンマー 誰に聞いたんだ?もしかして、その… リアムって奴が言ってたのか?
  • イーデン いいえ、ミゲルさんからです。前に水路を掘った時に農業のお話を聞いたんです。
  • ハンマー …
  • イーデン あはは、なんだかミゲルさんがずっと側に居てくれているような気分ですね。
  • ハンマー とにかく、こんなに水持ちが悪いのは一大事だ。他のところの様子も見てこよう。
  • イーデン お願いします、ハンマーさん。ボクも水やりが終わったら周りを確かめてみます。

  • イーデン トムさん! スマートさん! ひょっとしてボクがいない間、ずっと水を使ってましたか?
  • スマート いいえ、私はここで休んでいたわ。
  • トム オレもずっとここにいたぞ。気温は高いのに、なぜか汗はかかないな。
  • ハンマー 空気が乾燥しているからだ。日が昇りきってからが心配だな。キャンプから離れるほど熱気が増している。
  • イーデン 水の備蓄分が心許なくなってきました。畑ももう干からびかけてますし。
  • ハンマー 俺が調べた場所も同じだ。水分という水分がカラッカラに干上がっている。
  • イーデン 水路と湖の様子も見てこなきゃ!
  • ハンマー じゃあ噴水台の方を頼む。俺は水路と…
  • スマート ハンマーは休んでなさい。水路と湖は私が見てくるわ。あなた、シードより動き回ってるわよ。
  • ハンマー わ、分かった。じゃあ水路と湖の方は任せたぞ、スマート。
  • ヘナ イ、イーデンさん!大変です! スマートさんと湖の様子を見に行ったら…
  • スマート 水位が大幅に下がっていたわ。こことは比べ物にならないほど酷い熱気だったわよ。
  • イーデン 噴水台の方も深刻です。日差しがもっと強くなる前に早く対策を立てなきゃ。
  • ハンマー 非常用の水を確保するのが最優先だ。
  • イーデン (状況が悪すぎる… ソフィアさんは水を十分に持っていったかな?)
  • ハンマー イーデン?
  • イーデン あっ! ハンマーさんの言うとおりです。水を溜めておく場所を作りましょう!綺麗に片付きましたね。ここに水タンクを作れば良さそうです。
  • トム ひい~なんて暑さだ。こんな天気に重労働をしたせいで体中の水分が干からびた気分だぜ。
  • スマート あなたの水分はドライアイスか何かなの?ちょっと草むしりしたくらいで泣き言を言わないで。
  • トム 根が深くて大変だったんだって!
  • ハンマー 無駄話してる時間はない。昼前までには終わらせて水を溜めねばならん。
  • スマート ハンマーの言うとおりよ。ここだっていつ周辺のような熱気に襲われてもおかしくないわ。
  • イーデン 水タンクを置くための台から作りましょう。材料はあらかじめ用意しておきました。
  • ヘナ イーデンさんはいつも頼もしいですね。
  • イーデン あはは。ありがとうございます、ヘナさん。
  • トム (ううっ… オレが言われたかったことを…)
  • ハンマー ふむ。ガタつきもないし、これくらい丈夫なら問題ないだろう。
  • スマート これからが本番ね。水タンクに水を溜めなきゃならないし。
  • ハンマー イーデンはここで少し休んでろ。水タンクの材料は俺が運んでくる。
  • イーデン あっ、ボクも…
  • スマート 言うことを聞きなさい。一人だけ無理してるでしょ。ハンマーなら私が手伝うから。
  • ヘナ わ、わたしも行きます!
  • イーデン あはは、ありがとうございます。…あのー… トムさん?
  • トム えっ、オレも行けって? 勘弁してくれよ、これ作る時にオレも頑張ったじゃないか。
  • イーデン そうじゃなくて… ミゲルさんのことを聞きたくて。どうしてあんなにあっけなく…
  • トム ああ…ミゲルの爺さんはな…あっけないどころか、逆によく持った方だよ。まるでこのキャンプのように、彼の生命力は奇跡的と言えるものだった。
  • イーデン えっ、そんなに良くなかったんですか? 確かに咳は酷かったけど、それほど深刻だとは思いませんでした。
  • トム オレは爺さんがキャンプに到着する前に命が尽きると診断していたんだ。ところが、キャンプに近づくにつれ彼の容態は好転していった。まるで…キャンプに祝福でも受けたかのように。
  • イーデン …もしかしたら、キャンプがトムさんたちを呼び寄せたのかもしれませんね。
  • トム やめろって。祝福だなんだ言うが… オレはそんな迷信なんて信じちゃいねえ。
  • イーデン あはは、そうですよね。よし! ハンマーさんも戻ってきてますし、そろそろ水タンク作りを始めましょう!

  • イーデン わあ、立派ですね! これなら水も十分溜めておけそうです!
  • トム うう… 日差しがどんどん強くなってきた。これ、本当に必要だったか?
  • スマート は? 水がいらないとでも言うの?
  • トム あっちに蒸留器だってあるじゃないか。いざとなれば、あれで水を作ればいいだろ?
  • イーデン 蒸留器は水を綺麗にする装置ですよ。元となる水がなければ無理です。
  • トム あー… 飲み水を作るものだったのか。理解したぜ。
  • イーデン それはそうと、本当に熱気が徐々にこちらに向かってきている気がします。早く作業を終わらせないと。(この暑さだとジョイがかなり大変そうだ … ちゃんと日陰を見つけて休んでいるよね?)
  • ハンマー 次は何をすればいい?
  • イーデン 水が蒸発しないよう蓋をする必要があります。急ぎましょう、ハンマーさん。
  • ハンマー 承知した。
  • イーデン やりました! 皆さん、暑い中お疲れさまでした。
  • ハンマー イーデンもご苦労だった。道具は俺が片付けておこう。
  • イーデン お願いします、ハンマーさん。… あれ?そういえばトムさんとヘナさんは?
  • スマート 日陰で休んでいるわ。あなたも休んだほうがいいわよ。
  • イーデン そうします、スマートさん。
  • スマート あっ、イーデン、ちょっと待って。
  • イーデン はい?
  • スマート ソフィアが…ここを離れる前に手紙を残したって…
  • イーデン あっ、はい!まだ言ってませんでしたね。ハンマーさんとスマートさんのことも書いてありますよ。
  • スマート キャンプを出た理由は… やっぱり私たちのせいなのよね?
  • イーデン ちょっと違います。ソフィアさんはキャンプが略奪者に絡まれるのを嫌って、ここを離れたんです。
  • スマート だから、略奪者である私とハンマーが…
  • イーデン そうじゃなくて! ソフィアさんは、スマートさんたちのことを略奪者だなんて思ってません!
  • スマート えっ!? どういうこと?
  • イーデン ちょうど良かった。日陰で休憩するついでに、ボクの寝床にある手紙をお見せします。
  • イーデン 休憩しに行ったと思ったら、みんな集まってどうしたんですか?
  • ハンマー これを見てくれ、イーデン。
  • イーデン ああっ!み、湖がほとんど干からびてる!?
  • ヘナ こ、この辺りの熱気が特にひどいので来てみたら… どうしましょう、イーデン?
  • イーデン 何か対策を立てないと。これは緊急事態です!
  • トム おい、見ろ!水がなくなって魚たちが跳ね回ってるぞ。
  • ハンマー あんな風に死んで腐ってしまっては、今後は魚料理とはおさらばだな。
  • ヘナ そ、それだけじゃありません! 死骸が腐敗すれば湖に水が戻ったとしても…
  • スマート そう、汚染された湖になるわね。
  • ハンマー とりあえず、魚を取り除かねばならん。
  • イーデン わかりました、ハンマーさん。魚が腐らないうちに片付けましょう。
  • トム 待った! 何か方法はないのか? このまま捨てるなんてもったいない! なんとかして食えないのか?
  • イーデン そ、それは… 数匹くらいなら、この場で料理すれば食べられますけど…
  • トム 1匹も無駄にしたくないんだ! 方法を探してくれよ! 君はイーデンだろ!?
  • ヘナ そ、そうです! 何かアイデアがあるはずです。イーデンさんですから!
  • イーデン ま、待ってください。なんだかボクを… 過大評価していませんか?ボクがリアムに教わった魚の保存方法は、生 きているうちに血と内蔵を抜くやり方でした。
  • ハンマー 簡単だな。それだけでいいのか?
  • イーデン いえ、それが終わったらビニールで包んで、凍ってしまうほど冷たい場所に置きます。
  • ヘナ き、急に出た異常高温ですし、地中までは熱くないはずです。倉庫に保管すればいいんじゃないでしょうか?
  • ハンマー だな。ただ…凍った魚をどう料理するかが問題だ。
  • スマート 燻製器で焼くのはどうかしら?
  • イーデン うちのキャンプに燻製器なんてありましたっけ?
  • スマート あのパンを焼くところのことよ。あれで焼いちゃえばいいでしょ。
  • イーデン うーん… もっといい考えがあります。この機会に本物の燻製器を作っちゃいましょう!
  • ハンマー 俺は反対だ、イーデン。ものづくりが好きなのはわかるが、この暑さの中でそれを作るのは…
  • イーデン 一から作るんじゃなくて、あれを燻製器に改造するんです。
  • スマート あれって… あっ! トムが作った火力発電機のこと?
  • トム なっ!オ、オレの火力発電機を燻製器に!?あれを作るのにどれだけ苦労したと思ってるんだ!
  • ハンマー 始めよう。燻製器が欲しいというよりは、あの醜い代物をなくせるというのが魅力的だ。
  • トム くあああああ!
  • イーデン すごい! いざ分解してみると、燻製器を作るのにうってつけの構造ですよ!?
  • トム ううっ… 血も涙もないやつめ…
  • イーデン ソフィアさんは火力発電が環境破壊の主な原因だと言ってました。どのみち廃棄しなきゃいけないんです。
  • トム うっ… わかってるよ。それでもだな…
  • ハンマー 未練がましい態度を見るに、このガラクタを作って木をあんな風にした件を後悔していないようだな。
  • トム ち、違う!後悔してるに決まってるじゃないか!さあ、早く燻製器を完成させよう!次は何をすればいい?
  • イーデン 胴体を改造して組み直そうと思います。最低限の燃料で火力が出せるようにしてみますね。
  • トム 悪くないな。今すぐ魚を焼いてもよさそうだ。
  • イーデン あはは。煙突カバーとガラス窓を作ったら、早速焼いてみましょう。あ、タイマーも必要ですね。
  • ヘナ ソフィアさんが見たら喜びそう。彼女は料理好きだったから…
  • イーデン 必ず見てくれますよ。ボクはソフィアさんが戻ってくると信じてますから。
  • スマート ええ、本当にそうなればいいわね。
  • イーデン えっ?スマートさんもソフィアさんに戻ってきてほしいんですか?
  • スマート 手紙を読んだからね。あんなに神経質になっていた理由も、少しは理解したわ。
  • ハンマー お前がソフィアのことを理解するとは意外だな。
  • スマート 最初にここに来た時のことを忘れたの?私たちはイーデンとソフィアを本気で傷つけるつもりだったのよ。
  • ハンマー そ、それは… ここの住人も当然、略奪者どものような悪党だろうと思い込んで…そういえばちゃんと謝っていなかったな、あの時は本当にすまなかった。
  • イーデン 終わったことだし、もういいですよ。その代わりソフィアが帰ってきたら、仲良く暮らしてくださいね。
  • トム さあ、お喋りはそこまで。早く完成させて魚を焼こうぜ!こりゃ最高だな! 匂いだけでよだれが出て来たぜ!
  • イーデン 改造は上手くいったみたいですね。火力発電機が円形だったから燻製器にうってつけでしたし。
  • スマート 一体どうして火力発電機なんか作ったの?いや、どうやって作ったのよ?
  • トム どういう… 意味だ?
  • スマート 治療以外は何もできないと思ってたから。
  • トム オレだって出来ることはいっぱいあるんだぜ! 療養所にあった施設の管理だってやってたし!
  • ヘナ そ、それは本当です。療養所は男手不足で、医師にも仕事を手伝ってもらってましたから。
  • トム 聞いただろ? 後でオレがどれだけ有能なのか、話してやろうじゃないか。
  • ハンマー もう焼き上がったようだな。食べても良さそうだ。
  • トム 話をそらさないでちゃんと…
  • ヘナ あ、あの!燻製器のそばに食卓とかあった方がいいですよね。
  • スマート いいわね。熱い焼き網を取り出して、わざわざテーブルまで運ぶよりはマシだし。
  • トム お前ら、オレの話を聞く気はないのかよ?
  • イーデン 早速テーブルを作りましょう!
  • トム …
  • イーデン いい焼き加減ですね! テーブルもぴったりです!
  • トム おかしいな。オレも同じ方法で火を起こしたのに、何でこれは煙が少ないんだ?
  • ヘナ トムの火力発電機は…ほ、本当に煙がひどかったですよね!
  • イーデン それは生木を薪に使ったからだと思います。
  • トム うん?生き生きしてるほどいいんじゃないのか?
  • イーデン 薪はしっかり乾いたのがいいんですよ。辺りに乾いた枝とか木の板がいっぱいあるし、わざわざあの木を切る必要はなかったんですよ。
  • トム くっ…
  • スマート あらかじめ薪を集めてここに置くのはどう?薪の区別もできないおバカさんのためにね。
  • ハンマー いい提案だ、スマート。
  • イーデン トムさんをあまりからかわないでくださいよ。でもいい考えですね。近くに薪があったら便利ですし、はは。
  • トム はぁ〜
  • イーデン さあ!作業は全部終わったし、魚を食べてみましょうか?
  • ハンマー すまない、イーデン。
  • トム もぐもぐ、うん? イーデンがなんか言ったか?
  • ヘナ ご、ごめんなさい!
  • スマート 私もごめん。
  • イーデン えええ! みんなもう食べ始めてたんですか?
  • シード パクパク、 ワン?
  • イーデン シード!?キミまで!
  • ハンマー 焼き魚はまだいっぱいあるから早く食べろ。
  • イーデン こうなったら、一番大きいやつはボクがもらいますからね!
  • ヘナ (やはり… イーデンさんがいるとキャンプの空気が明るくなる。イーデンさんって本当にすごいな)
  • イーデン えっ、ハンマーさん! それはなんですか?
  • ハンマー 火力発電機にこびりついていた灰と炭だ。キャンプの外縁地帯に埋めておこう。
  • イーデン いや、炭は別に集めておいた方が良さそうです。
  • ハンマー 炭を?
  • イーデン はい。炭で水を浄化する方法をリアムに教えてもらったんです。
  • ハンマー そのリアムってやつは本当に何でもできるんだな。会えたらいいけどな。
  • イーデン それにしても早くこの暑さが収まって欲しいですね。はぁ~
  • スマート そうね。ただでさえ木が枯れていくのに、もう完全に干からびちゃうんじゃないかって心配だわ。
  • イーデン どうしたんですか?
  • スマート 何か… 昨日より木の状態が良くなってない?
  • イーデン 今気付いたんですね。今朝からああでしたよ。幸い徐々に良くなってるみたいです。
  • ハンマー まったく不思議な木だな。
  • イーデン うあっ! 肌が焼けそうなほど暑くなってきましたよ。
  • ヘナ 湖の方に集中していた熱気がどんどん広がってるようです。
  • トム ふあぁあぁ〜!このままじゃ全員熱中症だ!
  • イーデン トムさんは何で出てきたんですか? ヘナさんと一緒に寝床の中にいてください。
  • トム あっちも暑すぎていられたもんじゃないぜ。
  • ハンマー 俺の寝床もそうだ。何か対策を立てる必要があるな。
  • イーデン バンカー! みんなバンカーの中に入ってください。あっちは土に覆われて涼しいはずです。
  • スマート それ、バンカーだったの? てっきり保管庫かと思ってたけど。あの中は涼しくて良さそうね。
  • イーデン 先に入っててください。ボクは熱で問題になりそうなものはないか、キャンプの方をチェックしてから行きます。
  • トム 肌に異常が生じるかもしれないから、ほどほどにな!
  • イーデン 分かりました。心配してくれてありがとう、トムさん!
  • シード ハッハッハッ〜
  • イーデン シード、キミも大人しくバンカーに入ってて。
  • シード プルルル!
  • イーデン はは、ボクのこと心配してくれてるの? キミのためにも早く終わらせなくちゃね。作物は… うーん、すでに収穫したやつで何とかして、残りは耐えてくれることを祈ろう。コッコはバンカーに連れて行かなきゃ。ハチの巣は… バンカーの中で刺されたりはしないよね? 助けてあげようと持ってくんだから。よし、火事になりそうなものも片付けたし! 入ろうか、シード! うあっ! 肌が熱い!
  • シード ワン! ワン!ワンワンワン!
  • イーデン シード!外は暑いから危険..あっ! 暑さがだいぶ和らいだみたいです!
  • ハンマー 良かったな。夜まで続いてたら、作物が全部干からびて危ないところだった。
  • トム 今も結構干からびてるぞ! これから何を食べたらいいのか心配だぜ。
  • イーデン 作物が正常に育つまでは備蓄で耐えるしかないでしょうね。
  • スマート 食糧も問題だけど、略奪者の対策も立てなきゃ。
  • イーデン 略奪者ですか?
  • スマート ニュープロテクターの地域でも同じ状況なら、食糧問題はますます悪化してるはずだもの。
  • ハンマー 今よりもっと手ひどく探索するだろうな。
  • スマート 私たちに逃げられたこともあるし、この辺りを隈なく捜索するでしょうね。
  • イーデン じゃあ、どうしたら…
  • スマート 私たちを守ってくれる外部の者が必要よ。ソフィアには悪いけど、彼女がいない間になるべく迅速に対応すべき問題だわ。
  • イーデン そうですね。ソフィアなら部外者を警戒するでしょうから。分かりました。とりあえず、ロックンロールに連絡してみます。
  • イーデン ロックンロールに聞いてみました。ちょうどサイモンさんが出てくれて話が上手くつきましたよ。
  • ハンマー キャンプの防衛に手を貸すと言ってくれたか?
  • イーデン いえ、ロックンロールは行商人連合だから中立を保つしかないと。代わりに、力になれそうな人物を紹介してくれるそうです。
  • スマート どんな人なのか心配だわ。サイモンは人を信じすぎるところがあるみたいだったし。
  • イーデン ははは、まるでソフィアみたいなことを言うんですね。
  • スマート 知らなかったの? 私とハンマーのことを嫌ってるところ以外は、あの女と私は価値観が似てるのよ。
  • ハンマー とにかく、サイモンが紹介してくれた人とは話したのか?
  • イーデン いえ、彼女はボクたちのキャンプの近くで働いてると言ってました。
  • ハンマー 彼女?
  • イーデン ええ、エルザという女性です。こちらに来るよう話しておくって、言ってましたから待ちましょう。
  • ヘナ そ、それじゃわたしは… ヤギの乳でも用意しておきますね。お客さんに出すものがないと。
  • イーデン はは! お願いします、ヘナさん。
  • エルザ サイモンのやつ! こんな暑い中、厄介事を押し付けやがって。今度会ったら一発殴ってやろうかと思ったけど…これならお礼に熱いキスでもしてやらなくちゃね! 一体どうなってんの?草も畑もあるし、水もこんなにあるなんて!しかも他の場所ほど暑くないし。ここはバラダイスかよ!
  • シード ワン?
  • エルザ はっ! 狂犬… じゃないか、初対面の人間に尻尾を振る犬なんて珍しい。
  • ヘナ え、あっ!も、もしかして…
  • エルザ あんたがこのキャンプの主? ロックンロールのサイモンって野郎を知ってる?
  • ヘナ あ、主じゃないんですけど… ここで暮らしてます。え、エルザさんですよね?
  • エルザ そう、アタシがエルザ。ふぅ、ホントいい所でよろしくやってるのね。
  • ヘナ あ、案内します。あっちでみんなが待ってるんで。
  • イーデン ボクたちのキャンプへようこそ、エルザさん!
  • エルザ 歓迎なんていいよ。サイモンの頼みで来ただけだし。あいつには借りがあるからね。
  • イーデン あ…
  • エルザ マジムカつくな。借りを返すどころか増えちまったよ。まさかこんなヤバいキャンプだったとはね。
  • スマート 私たちのキャンプが気に入ったってことでいいのよね?
  • エルザ 当ったり前さ! あんたたちだって、ここがどれだけすごい所なのか知らないわけじゃないだろ?
  • イーデン ボクたちのキャンプを褒めてくれてありがとうございます、エルザさん。
  • エルザ あんたバカか? いい意味だけじゃないんだよ。
  • イーデン はい?
  • スマート その分、ここが外に知られたら危ないってことよ。
  • エルザ あんたは賢いね。そう、こんなキャンプなら守ってやるより、欲しがる連中の方が多いだろうからね。なんであのサイモンがアタシを指名したのか、ようやく分かったよ。ちくしょう!
  • スマート 守ってくれそうな人達を知ってるってことでいいのかしら?
  • エルザ もちろん。あ~あ、テキトーにごまかしておさらばする予定だったけど、ここは守ってやるしかなさそうだね。アタシが昔、所属してた組織があるんだ。荒くれ者が多かったけど、こんな所なら必ず守ってくれるだろうよ。
  • スマート 信じてもいいの? ロックンロールの名にかけて誓える?
  • ヘナ す、スマートさん… 協力してくれる方にそんな言い方は….
  • エルザ いや、あんな風に言ってもらった方がアタシだって気が楽だよ、メガネの嬢ちゃん。ロックンロールの名にかけて約束する。必ず守ってくれるよ。
  • スマート そうしてくれる理由でもあるの?
  • エルザ あいつらに直接聞きな。グダグダ御託を並べるのは趣味じゃないんでね。
  • イーデン でもありがとうございます、エルザさん。最近、略奪者のことで心配だったんですけど、これで一安心です。
  • ハンマー イーデン、さっきシードが隠した宝の中に無線機があったようだが… 俺の見間違いか?
  • イーデン 見間違いじゃないですよ。ボクのだったんですけど、いつそこに埋めたのやら… はは。
  • シード クゥ~ン…
  • ハンマー それを改造してエルザに渡してもいいか?
  • イーデン もちろんです、ハンマーさん。
  • エルザ ハンマーって言ったっけ?意外と頭が回るじゃないか。アタシが紹介する組織と直接話すつもりだね?
  • ハンマー …受け取れ。周波数は合わせておいたが、念のため予備のやつを2つほど教えておこう。
  • エルザ へえ、あんた… 元軍人だね? 無線機を改造する手際がハンパないな。
  • ハンマー 褒め言葉として受け取っておこう。とにかく、そいつを渡せばこちらから連中と話す。
  • エルザ 分かった、ちゃんと渡しておくよ。あ、忘れるところだった!
  • スマート …?
  • エルザ 必要な物資はない? このキャンプに物資の支援もするよう、あのサイモンに言われたからね。
  • ヘナ サイモンさんって… 本当にいい方なんですね。
  • イーデン 食べ物が必要なんです。
  • エルザ 分かった。少しなら支援できるよ。どうせサイモンに返してもらうんだし、気にしなくていいから。じゃあ、またな。このヤバいキャンプも気に入ったし、ちょくちょく顔出すかもね。
  • イーデン ありがとう、エルザさん!
  • イーデン 日が暮れたからか、暑さが収まりましたね。ほら、風が涼しいですよ。
  • ハンマー 熱波が終わりそうだね、良かった。
  • スマート エルザのおかげで食糧もかなり備蓄できたし。あの女… 口は悪いけど結構気に入ったわ。
  • ヘナ で、でもわたしはピクピクしちゃいました。 ソフィアだったら嫌がってたでしょうね。
  • イーデン アハハ…
  • スマート そういえば、ソフィアの手紙に気になるところがあったわ。
  • イーデン 気になるところ? あ! アダムプロジェクトのことですか?
  • スマート そう、イーデンは聞いたことあるの?
  • イーデン ええ、環境関連の研究だとか。ソフィアは他のところで、ボクたちのキャンプのような環境を作りたかったみたいです。
  • スマート そんなに簡単にできることだったら、誰も苦労しなかったでしょうけど。
  • イーデン ちょっと複雑な気持ちです。ソフィアに成功して欲しい気持ちもあるけど…
  • ハンマー 失敗してここに戻ってきて欲しいという気持ちもあるわけか。
  • イーデン はは… こんなこと考えちゃダメなのに… 彼女に出て行かれて寂しかったみたいです。
  • ヘナ わ、わたしたちも同じ気持ちです。自分を責めないでください!
  • イーデン ありがとう、ヘナさん。もう悩むのはやめて、キャンプをもっと良くすることだけに集中します!
  • スマート そうよ。あの女が帰ってきたら出て行ったことを後悔するくらい、素敵なところにしましょう。私はそろそろ寝ないと。身体の調子も良くなってきたし、明日は物資でも集めてくるわ。
  • イーデン それはダメです。物資収集はしばらく禁止です。
  • スマート 今あるのだけで耐えられるの?
  • スマート あなたが略奪者に捕まるよりはマシです。安全第一ですから。
  • ハンマー 俺もイーデンに賛成だ。
  • スマート うーん…
  • イーデン 他のことは考えないで休んでてください。今のボクたちは十分な休息を取る必要がありますから。
  • スマート 分かったわ、イーデン。お言葉に甘えさせてもらうわ。
  • イーデン あ~疲れた! キミも暑くて大変だったよね?
  • シード クゥゥ~ン、ハッハッハッハッ。
  • イーデン 今は涼しいだろ、シード! 暑がらないでよ。
  • シード …
  • イーデン そうだ、シード! キミはこれからたくさんの新しい人たちに出会うよ。だから一つだけ約束して。
  • シード ワン?
  • イーデン さっき、エルザさんに会った時みたいに誰にでも懐いちゃダメだよ。悪い人もいるだろうから。
  • シード ワンワン!
  • イーデン はは、すぐ理解するんだね。やっぱりシードは賢いや。ボクもキャンプの安全のため、むやみに人を信じないよう気を付けなきゃ。やり過ぎとは思うけど、ソフィアみたいに慎重になるのは悪いことじゃないと思うし。
  • シード ワン!
  • イーデン うう… またソフィアたちに会いたくなってきた。もう思い出しちゃいけないのに…
  • シード クゥ~ン…
  • イーデン もうクヨクヨ考えるのはやめやめ! とりあえず明日のためにぐっすり寝よう。おやすみ、シード!
  • シード ワ〜ン!
  • ?? ああ、もう! 地獄のような一日だぜ! 太陽なんて死んじまえ! 物資がダメになったじゃな いかよ!
  • ?? 選ぶ時が来たようだね。
  • ?? 選ぶって?まさか、オイラを捨てる気か?そんなことされたらオイラ、死んじゃうよ! 死んだらあんたのこと恨むからな!
  • ?? お前を捨てたりはしないから、死ぬとか言うんじゃないよ。ここを去る時が来たって話だよ。
  • ?? 去るって、ここを?行く当ては? 遠いのか? あんまり遠すぎるとオイラ、力尽きて死んじゃうぞ!
  • ?? そう遠くないところだよ。以前、小さな女の子とその母親を助けてあげたこと、覚えてるかい?
  • ?? あ! あの生意気なガキと怖いオバサン? あいつらのところに行くのか?
  • ?? 居場所はもう分かってる。ここより何十倍もいい所に住んでるよ。
  • ?? じゃあ、早速出発しようぜ! そこの連中を皆殺しにしてオイラたちが…うわっ! 痛いじゃないかよ!
  • ?? おだまり! 今度また行儀の悪いこと言ったら、ほふく前進30分だよ。早く荷造りしな!
  • ?? うう… 分かったよ。

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